doiemonのカルチャーライフ!

気ままなライフスタイル、カルチャーを安全に紹介します。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「時計じかけのオレンジ」 暴力の行き先。

時計じかけのオレンジ (字幕版) マルコム・マクドウェル Amazon 1971年作品で、スタンリーキューブリックの代表作。 えらく昔の映画だけど、近未来の話だから古くは感じない。 暴力に明け暮れていた青年が、仲間の裏切りによって捕まり、厚生の実験台にされ…

「金持ち父さん、貧乏父さん」 お金に目がくらむ未来はイヤだ。

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本) 作者:ロバート キヨサキ 筑摩書房 Amazon サラリーマンならこの本をほとんどの人が知っているだろう。 お金がに悩むことがあれば、誰だってこの本にたどりつくのだ。 自…

「静かな日々」少年がひとつ階段をのぼって青年になる

しずかな日々 (講談社文庫) 作者:椰月 美智子 講談社 Amazon 椰月美智子さんの作品で一番好きかもしれない。 母の仕事の都合で、引っ越しを余儀なくされる主人公は転校することを拒み、よく知らないおじいさんと生活することになる。そのことが彼が成長する…

「ベランダに手をふって」自然な時の流れ。

ベランダに手をふって (文学の扉) 作者:葉山 エミ 講談社 Amazon いい本だった。小学生の頃って純粋で素直だったな。 気になっていた女の子が転校することになって、また電話するね。手紙書くねっていう約束。なんか初々しいけど、実際はずっと続くことは少…

「ブラッド・ダイヤモンド」幸せの象徴、ダイヤモンドの裏側。

ブラッド・ダイヤモンド (字幕版) レオナルド・ディカプリオ Amazon ダイヤモンドにまつわる紛争。アフリカの内戦地域から産出され、非合法的に取引される紛争ダイヤモンド。別名・ブラッド・ダイヤモンド(血塗られたダイヤモンド) アフリカの多く地域は希少…

「スリー・ビルボード」 負の連鎖ってこうゆうこと。

スリー・ビルボード (字幕版) ジョン・ホークス Amazon 娘を殺された殺人事件の捜査にいら立ちをおぼえたミルドレッドは、町はずれのめったに人の通らない広い道路の看板にメッセージを依頼した。警察の怠慢、無理強いな取り調べ。理由を述べずに操作を終わら…

「ファーザー」認知症の恐ろしさ。

ファーザー(字幕版) アンソニー・ホプキンス Amazon 頑固な父親はすぐに介護士を追い返して、娘を困らせる。 すでに認知症が進行していることから、シーンが切り替わるごとに、認識していた周りの人物が変わり、整理がつかなくなる。平常心を取り戻すころに…

「火花」 又吉直樹

火花 (文春文庫) 作者:又吉直樹 文藝春秋 Amazon 売れない芸人の世界を美しい文体で華々しく描く青春小説。 あらすじ 芸人の徳永は営業先でたまたま一緒になった別コンビの神谷の破天荒な姿に衝撃を受けて弟子入りを志願する。しだいに徳永のコンビは売れは…

Kindole本

スプラッシュ マンション (PHP文芸文庫) 作者:畠山 健二 PHP研究所 Amazon 笑うことは大事だ。どんな些細でくだらないことだとしても。 人間の感情の中で読み取ることが最も難しいのは笑いだろう。価値観や温度感での違い。その人の置かれた場所や境遇によっ…

高貴な街角。

麻布や六本木という街は自分たちの肌に合う場所ではなかった。その日は雨が降っていて、雲も多い空の下を歩いた。自分は人より代謝がいいのか、地下鉄の階段を乗り降りしただけで、すぐに汗ばんでしまう。地下の通路は風が抜けないから嫌いだ。高貴な街は変…

歴史を感じるというより、居心地がいい場所。「池袋」

自宅からは遠く離れた街だけど、明るさと暗さの両方の顔を持つ街だなって思う。なにか特別なものがなくてもとりあえず寄る場所ってある。西口のベンチにはいろんな風貌の人が小休憩をしていて、想像力を膨らませてしまう。芸術劇場前のグローバルリングを見…

浮世絵風景画展に行ってきた(町田市版画美術館)

JRの町田駅から歩くこと数分。住宅街を離れると、小さな公園が見えてくる。日曜日の公園は子どもたちがたくさん遊んでた。この日も直射日光が厳しく、歩いているだけで額に汗が滲んできた。 公園を通り抜けていくと、立派な建物が迎えてくれる。町田市立版画…

短編小説「NO_TITTLE」

「自殺?」 「ああ、就活生が自殺したんだって」 俺は同僚の山岸がなぜ、そんなニュースを気にしていたのか不思議に感じた。 「就活生の自殺って前にもあったよな」 「それがさ、今回は自殺者の遺書が残されているらしいんだよ」 「遺書?」 俺は資産を持た…

少年文学 「海のおどりこ」

放課後、直介と太一はそうじをサボって海岸まできていた。 退屈だから。そんな理由で、彼らはよくこの場所にくる。 「家に帰っても、手伝いしろってうるさいんだ」 太一はなるべく遅い時間に家に帰りたいみたいだ。太一の家は漁師の家系で長男の彼は 家業を…