椰月美智子さんの作品で一番好きかもしれない。
母の仕事の都合で、引っ越しを余儀なくされる主人公は転校することを拒み、よく知らないおじいさんと生活することになる。そのことが彼が成長するきっかけになる。
学年が上がって新しいクラスになると、仲が悪くなったわけではではないのにそれまでの友達と話す機会が少なるなる。自然と友だちや親との関係性が変わってくる。
子どもの頃は夢中なって遊ぶ時間がいっぱいあった
幼少期の頃は母が帰ってくるのが楽しみだった。
夢中になって過ごしてたらいつの間にか大人になってた。
世の中で生きている大人は、どれほど自分の子どもの頃を思い出すのだろうか。
忙しくて昔のことを思い出す暇もないかもしれない。
でも、こうゆう作品に出合うと、あの頃のみんなどうしてるかなって思う。
自分にも大切で大好きな友だちがたくさんいたんだと感じる。
自分もそうだったと誰もが共感できる
淡々とした文体で、語られるストーリーは抑揚が少ないけど、経験したことがある人にはきっと響く。というより誰もが経験しているはずで必ず共感する。
「人生は劇的ではない。ぼくはこれからも生きていく」
作中のこの一文にすごく惹かれた。期待させるような、前向きな言葉ではないほうが説得力がある。