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「ぼくらの家路」 子どもは勝手に大人になるのかな。

 

ぼくらの家路

ぼくらの家路

  • イヴォ・ピッツカー
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10歳の兄(ジャック)と弟(マヌエル)のはまだ世話のかかる年頃。

シングルマザーの母はあまり家におらず、母親として失格のようで家の中は散らかっていた。

ジャックは施設に預けられることになり、マヌエルとしばらく離れて生活することになる。だが、ジャックは施設の子どもとケンカをしてケガをさせて、そのまま脱走する。

その足でマヌエルが預けられているとこまで行くのだった。

母に連絡しても通じず、家にもいない。

街中を探して、歩き続け、お金も持ってない彼らはコーヒーショップのシュガーとミルクをこっそり盗む。母のボーイフレンドのところまで訪ねるのだか、知らないと言われてしまう。

肩を落としてアパートに帰ると、母が家に戻っていた。

あんなに苦労して探しまわったのにに、いつも通りに振るまう母に対してジャックは戸惑いを覚える。

そして、次の日。ジャックは母の傍で眠るマヌエルを無理矢理起こして、表情を変えずに玄関の扉を開ける。兄弟は眠ったままの母を置いたまま、家を出た。

このシーンで映画は終わる。

 

10歳って特別なのかも。

結末は見た人に想像させるタイプの映画だったけど、なんだか「そうだよな」と納得してまう雰囲気があった。母親の身勝手さに自然と兄弟二人にがんばれとエールを送っていた。ネグレクトとまではいかないが、こういう子どもに興味を示さない親は実際に存在するらしい。

八つ、九つと、十歳と初めて呼び方が変わる。その時に何か、子どもから少しだけ離れて青年の扉の前まできてしまうのかもしれない。

どんなに出来損ないでも、親に見放されていても、生きてれば自然といろんな経験をする。ジャックは身勝手な母と、まだ放っておくことができない弟のために、誰よりも先に成長することを余儀なくされた。ジャックの顔はいつの間に強さを兼ね備えた大人に変わっている。

大人なろうと意識を持って成長する子どもはそんなにいないと思う。

精一杯遊んで、傷ついて、気が付けば経験を積んで、いつの間にか大人になってる。過ぎてきた日々を懐かしく思って、後ろを振り返ってしまうこともある。

自分もそんな感じだった。